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万博って、なんだろう?

世界の国々が集まり、文化や技術、未来へのアイデアを持ち寄る「万博」。

名前は知っていても、何をする場所なのか、博覧会やお祭りと何が違うのか、意外と知らない人も多いかもしれません。

万博は、まだ見たことのない世界と出会い、これからの暮らしや地球の未来を考える場所です。

世界をめぐる。文化を味わう。未来を体験する。

ここから、万博の世界をのぞいてみましょう。

万博とは?

万博の正式名称は「国際博覧会」。かつては「万国博覧会」と呼ばれ、その略称として「万博」という言葉が広まりました。

世界各国や国際機関、企業、市民などが一つの場所に集まり、時代を象徴するテーマのもとで、文化、産業、科学技術、社会の課題や未来への提案を紹介します。

ただ新しい商品や技術を展示するだけのイベントではありません。

異なる文化や考え方に触れ、人類が抱える課題を共有し、よりよい未来について一緒に考える。それが、現代の万博が担っている大きな役割です。

世界をひとめぐりできる場所

万博会場には、参加する国や地域がそれぞれの「パビリオン」を開きます。

パビリオンとは、各国や企業などがテーマを表現するための展示施設です。建物そのものにメッセージが込められ、展示、映像、音楽、料理、ステージ、体験型コンテンツなどを通して、その国の文化や未来への考え方を紹介します。

一つの会場を歩くだけで、さまざまな国の文化に出会える。知らなかった料理を味わい、初めて聞く音楽に触れ、遠い国の人と言葉を交わせる。

万博は、まるで世界を旅するような場所です。

万博で出会える5つのもの

1.世界の文化

伝統衣装、工芸、音楽、踊り、祭り、暮らしの知恵。

万博では、それぞれの国や地域が大切に受け継いできた文化を、見て、聞いて、体験できます。観光だけでは気づきにくい、その土地の価値観や背景に触れられることも魅力です。

2.世界の食

料理は、その土地の気候や歴史、宗教、暮らしを映すもの。

各国のレストランやフードコートでは、身近な料理から日本では珍しい郷土料理まで、多彩な味に出会えます。食を目的にパビリオンをめぐるのも、万博ならではの楽しみ方です。

3.未来の技術

万博は、新しい技術が世界に紹介される舞台でもあります。

かつて万博で注目された技術や製品の中には、その後、私たちの暮らしに広く普及したものもあります。現代の万博でも、エネルギー、医療、移動、通信、宇宙、AIなど、未来につながるさまざまな挑戦を体験できます。

4.建築とデザイン

万博のパビリオンには、開催国や参加国を代表する建築家、デザイナー、アーティストが携わります。

その時代にしか建てられない大胆な建物や、環境に配慮した新しい建築。展示を見なくても、会場を歩いて建物を眺めるだけで楽しめるほど、個性的な空間が並びます。

5.未来への問い

これから、私たちはどのように暮らしていくのか。地球環境をどう守るのか。技術と人間は、どのような関係を築くのか。

万博では、答えが一つではない大きなテーマが投げかけられます。

展示や体験を通して驚き、楽しみながら、自分なりの未来を考える。それも万博の大切な体験です。

万博は、いつ始まった?

近代的な万博の始まりとされるのは、1851年にイギリス・ロンドンで開催された「第1回ロンドン万国博覧会」です。

産業革命によって生まれた機械や工業製品、美術品などが世界各国から集められ、会場となった巨大なガラス建築「水晶宮」は大きな注目を集めました。

その後、万博はパリ、ウィーン、シカゴ、ブリュッセル、モントリオールなど、世界各地で開催されます。

初期の万博では、産業や国力、新しい発明を競って紹介することが中心でした。時代が進むにつれて、人々の暮らし、文化交流、環境、持続可能性などへテーマが広がり、現在では世界共通の課題を考える場へと変化しています。

街に残った、万博の記憶

万博のためにつくられた建築物の中には、閉幕後も街のシンボルとして残ったものがあります。

1889年のパリ万博で建設されたエッフェル塔。1962年のシアトル万博で誕生したスペースニードル。1970年の大阪万博を象徴する太陽の塔。

開催期間が終わっても、その建築や技術、交通、文化は街の中に受け継がれます。

万博は数か月間のイベントであると同時に、都市や社会を変えるきっかけでもあるのです。

万博には種類がある

国際博覧会は、博覧会国際事務局「BIE」によって開催ルールが定められています。一般に「万博」と呼ばれるものには、主に次の種類があります。

登録博覧会

世界的で幅広いテーマを扱う、大規模な万博です。

原則として5年に一度開催され、会期は最長6か月。会場面積に上限はなく、参加国が独自のパビリオンを建設できます。

2005年の愛・地球博、2010年の上海万博、2020年のドバイ万博、2025年の大阪・関西万博などが該当します。

認定博覧会

登録博覧会と登録博覧会の間に開催される、より専門的なテーマを扱う万博です。

会期は最長3か月、会場面積は25ヘクタール以内。エネルギー、海洋、未来の食など、特定の分野に焦点を当てます。

国際園芸博覧会

花や緑、農業、自然と人との関わりをテーマにした国際的な博覧会です。

最上位のA1クラスは、国際園芸家協会(AIPH)の承認と博覧会国際事務局(BIE)の認定を受けて開催されます。会期は3か月以上6か月程度で、会場面積は50ヘクタール以上。登録博覧会や認定博覧会とは異なる区分です。

2027年には、神奈川県横浜市で「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」が開催されます。

会期
2027年3月19日(金)~9月26日(日)の192日間
開催場所
神奈川県横浜市・旧上瀬谷通信施設
面積
博覧会区域:約100ヘクタール
うち会場区域:約80ヘクタール

日本では、1990年の「国際花と緑の博覧会(花の万博)」以来、37年ぶりに開催される国際園芸博覧会です。

日本で開かれた万博

日本が初めて政府として公式に参加したのは、1873年のウィーン万博です。その後、日本は世界各地の万博に参加し、工芸品や美術、産業、文化を紹介してきました。

日本国内で初めて開かれた万博は、1970年の日本万国博覧会、通称「大阪万博」です。

その後も日本では、沖縄国際海洋博覧会、国際科学技術博覧会「つくば科学万博」、国際花と緑の博覧会「花の万博」、2005年日本国際博覧会「愛・地球博」、2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」などが開催されました。

それぞれの万博は、その時代の日本が思い描いた未来を映しています。

万博の楽しみ方は、人それぞれ

世界の料理を食べ歩く。個性的な建築をめぐる。各国のスタンプを集める。音楽や踊りを楽しむ。未来の技術を体験する。気になった国の人と話してみる。

すべてを見ようとしなくても構いません。

自分が気になるものを入口に、知らなかった世界へ少しずつ足を延ばしていく。それが、万博の面白さです。

一つの出会いが、いつかその国を訪れる旅のきっかけになるかもしれません。

万博から、世界と日本をめぐる

万博に集まるのは、未来の技術だけではありません。

世界各地で育まれてきた文化や食、ものづくり、自然とともに生きる知恵。そして、日本各地が受け継いできた伝統や、新しい時代へ向けた挑戦。

万博を知ることは、世界を知ること。
世界を知ることは、日本を新しい目で見つめることにもつながります。

さあ、万博から始まる旅へ。

実際に歩いて感じた、万博の魅力

万博の面白さは、展示を見ることだけではありません。

会場を歩いていると、初めて聞く音楽が流れてきたり、知らない国の料理の香りに足を止めたり、パビリオンで出会った人の話から、その国に興味を持ったりします。

編集部が実際に万博会場を訪れて感じたのは、予定していなかった出会いにこそ、万博らしさがあるということでした。

事前にすべてを調べ尽くすより、「気になった場所へ入ってみる」「知らない料理を一品食べてみる」といった余白を残すのがおすすめです。

※本項は、編集部の実際の来場・取材経験をもとに記載しています。